令和5年度 過去問 財務・会計
第1問 売上原価計算
7月における商品Aの取引は以下のとおりである。7月の売上原価として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。ただし、払出単価の計算には移動平均法を採用している。
〔解答群〕
ア 2,200円
イ 2,300円
ウ 2,400円
エ 2,600円
第1問 解答
イ
第2問 仕訳
以下の一連の取引の仕訳として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
8 /12 当社は、得意先との間で、25,000円の商品Bと35,000円の商品Cを販売する契約を締結した。合計の代金60,000円は、商品Bと商品Cの両方を引き渡した後に請求することになっている。また、商品Bと商品Cの引き渡しは、それぞれ独立した履行義務である。商品Bについては、契約を締結した後、直ちに得意先に引き渡した。
8 /25 商品Cを得意先に引き渡した。当社は、商品Bと商品Cの代金に対する請求書を送付する予定である。
〔解答群〕
ア 8 /12 (借)契約資産 25,000 (貸)売 上 25,000
8 /25 (借)売掛金 60,000 (貸)契約資産 25,000
売 上 35,000
イ 8 /12 (借)契約資産 25,000 (貸)契約負債 25,000
8 /25 (借)売掛金 60,000 (貸)売 上 60,000
契約負債 25,000 契約資産 25,000
ウ 8 /12 (借)契約資産 60,000 (貸)売 上 60,000
8 /25 (借)売掛金 60,000 (貸)契約資産 60,000
エ 8 /12 (借)契約資産 60,000 (貸)売 上 25,000
契約負債 35,000
8 /25 (借)売掛金 60,000 (貸)契約資産 60,000
契約負債 35,000 売 上 35,000
第2問 解答
ア
第3問 200%定率法
当社は、X1年度期首に機械(取得原価300,000円、耐用年数5年)を購入し、200%定率法により減価償却を行っている。保証率は0.10800、改定償却率は0.500である。X4年度における減価償却費として、最も適切なものはどれか。
ア 18,750円
イ 25,920円
ウ 30,000円
エ 32,400円
第3問 解答
エ
第4問 連結会計
連結会計に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 親会社による子会社株式の所有割合が100%に満たない場合、連結貸借対照表の負債の部に非支配株主持分が計上される。
イ 子会社の決算日と連結決算日の差異が3 か月を超えない場合は、子会社の正規の決算を基礎として連結決算を行うことができる。
ウ 負ののれんは、連結貸借対照表に固定負債として計上する。
エ 連結子会社の当期純損益に株式の所有割合を乗じた額は、持分法による投資損益として連結損益計算書に計上する。
第4問 解答
イ
第5問 会計基準
会社法における計算書類の作成、開示に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 計算書類とは、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書および株主資本等変動計算書のことである。
イ 子会社を有するすべての株式会社は、連結計算書類を作成しなければならない。
ウ すべての株式会社は、各事業年度に係る計算書類を作成しなければならない。
エ すべての株式会社は、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表と損益計算書を公告しなければならない。
第5問 解答
ウ
第6問 法人税計算
当期の税引前当期純利益は800,000円であった。ただし、受取配当金の益金不算入額が24,000円、交際費の損金不算入額が36,000円ある。また、前期末に設定した貸倒引当金10,000円が損金不算入となったが、当期において損金算入が認められた。法人税率を20%とするとき、当期の損益計算書に計上される法人税として、最も適切なものはどれか。
ア 158,000円
イ 160,400円
ウ 162,000円
エ 164,400円
第6問 解答
イ
第7問 剰余金の配当と処分
剰余金の配当と処分に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 株式会社は、1 事業年度につき、中間配当と期末配当の最大2 回の配当を行うことができる。
イ 株式会社は、資本剰余金を原資とする配当を行うことはできない。
ウ 取締役会設置会社は、取締役会の決議によって中間配当を実施することができる旨を定款で定めることができる。
エ 役員賞与を支払う場合、その10分の1 の額を利益準備金として積み立てなければならない。
第7問 解答
ウ
第8問 貸借対照表
貸借対照表の表示に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 売掛金は、代金が回収されるまでの期間の長短にかかわらず流動資産に分類される。
イ 株式は、その保有目的にかかわらず流動資産に分類される。
ウ 棚卸資産は、決算日の翌日から起算して1 年以内に販売されるものは流動資産に、1 年を超えるものは固定資産に分類される。
エ 長期借入金は、時の経過により、返済期日が決算日の翌日から起算して1 年以内となっても、固定負債に分類される。
第8問 解答
ア
第9問 キャッシュ・フロー計算書
キャッシュ・フロー計算書に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 間接法によるキャッシュ・フロー計算書では、棚卸資産の増加額は営業活動によるキャッシュ・フローの増加要因として表示される。
イ 資金の範囲には定期預金は含まれない。
ウ 支払利息は、営業活動によるキャッシュ・フローの区分で表示する方法と財務活動によるキャッシュ・フローの区分で表示する方法の2 つが認められている。
エ 有形固定資産の売却による収入は、財務活動によるキャッシュ・フローの区分で表示される。
第9問 解答
ウ
第10問 仕掛品原価
当工場の以下の資料に基づき、平均法による月末仕掛品原価として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、材料は工程の始点ですべて投入されており、減損は工程の終点で発生している。また、月末仕掛品原価の計算は度外視法によるものとする。
【資料】
〔解答群〕
ア 70,400円
イ 81,000円
ウ 85,500円
エ 108,000円
第10問 解答
ア
第11問 財務諸表および財務比率への影響
余剰現金の使途として、新規の設備の購入(D案)と長期借入金の返済(E案)を比較検討している。他の条件を一定とすると、D案とE案の財務諸表および財務比率への影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 固定長期適合率は、D案では悪化するが、E案では改善する。
イ 自己資本比率は、D案では不変であるが、E案では改善する。
ウ 総資産は、D案、E案ともに不変である。
エ 流動比率は、D案では悪化するが、E案では改善する。
第11問 解答
イ
第12問(1) 付加価値率
当社とその競合会社であるF社に関する以下の資料に基づき、下記の設問に答えよ。ただし、金額の単位は万円とする。
【資料】
(設問1 )
当社の付加価値率として、最も適切なものはどれか。
ア 20%
イ 25 %
ウ 65 %
エ 75 %
第12問(1) 解答
イ
第12問(2) 生産性比較
当社とその競合会社であるF社に関する以下の資料に基づき、下記の設問に答えよ。ただし、金額の単位は万円とする。
【資料】
(設問2 )
当社とF社の生産性に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 労働生産性はF社が上回っているが、その要因は設備生産性が当社のそれを上回っていることにある。
イ 労働生産性はF社が上回っているが、その要因は労働装備率が当社のそれを上回っていることにある。
ウ 労働生産性は当社が上回っているが、その要因は設備生産性がF社のそれを上回っていることにある。
エ 労働生産性は当社が上回っているが、その要因は労働装備率がF社のそれを上回っていることにある。
第12問(2) 解答
エ
第13問 キャッシュ・コンバージョン・サイクル
運転資金管理のための財務指標であるキャッシュ・コンバージョン・サイクルに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 売上債権回転率が低くなると、キャッシュ・コンバージョン・サイクルは短くなる。
イ キャッシュ・コンバージョン・サイクルは、マイナスの値になることはない。
ウ 仕入債務回転期間が短くなると、キャッシュ・コンバージョン・サイクルは短くなる。
エ 棚卸資産回転期間が短くなると、キャッシュ・コンバージョン・サイクルは短くなる。
第13問 解答
エ
第14問 配当計算
Z社の期首自己資本は3,000万円である。また、ROEは5%、配当性向は40%、発行済株式数は20万株である。Z社の当期の1 株当たり配当として、最も適切なものはどれか。ただし、本問において、ROEは当期純利益を期首自己資本で除した値とする。
ア 2 円
イ 3 円
ウ 4 円
エ 5 円
第14問 解答
イ
第15問(1) ROE計算
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
現在、Y社は総資本10億円(時価ベース)の全額を自己資本で調達して事業活動を行っており、総資本営業利益率は10%である。また、ここでの営業利益は税引前当期純利益に等しく、また同時に税引前キャッシュフローにも等しいものとする。Y社は今後の事業活動において、負債による調達と自己株式の買い入れによって総資本額を変えずに負債と自己資本との割合(資本構成)を1 :1 に変化させることを検討しており、その影響について議論している。
(設問1 )
税金が存在しない場合、Y社が資本構成を変化させたとき、ROEの値として、最も適切なものはどれか。ただし、負債利子率は3 %であり、資本構成の変化によって総資本営業利益率は変化しないものとする。
ア 13%
イ 13.5 %
ウ 17%
エ 17.5 %
第15問(1) 解答
ウ
第15問(2) MM理論
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
現在、Y社は総資本10億円(時価ベース)の全額を自己資本で調達して事業活動を行っており、総資本営業利益率は10%である。また、ここでの営業利益は税引前当期純利益に等しく、また同時に税引前キャッシュフローにも等しいものとする。Y社は今後の事業活動において、負債による調達と自己株式の買い入れによって総資本額を変えずに負債と自己資本との割合(資本構成)を1 :1 に変化させることを検討しており、その影響について議論している。
(設問2 )
モジリアーニ・ミラー理論において法人税のみが存在する場合、Y社が資本構成を変化させることで、企業全体の価値に対する影響として、最も適切なものはどれか。ただし、法人税率は20%とする。
ア 企業価値が1億円減少する。
イ 企業価値が1億円増加する。
ウ 企業価値が4 億円減少する。
エ 企業価値が4 億円増加する。
第15問(2) 解答
イ
第16問 原価の概念
次の文章の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
100万円のコストで製造した機械装置1 台に対して、G社とH社の2 社から、これを購入したい旨の引き合いがあった。G社は120万円、H社は130万円の価格を提示している。どちらかに販売すると他方を断らなければならないため、[ A ] はG社に販売したときは130万円、H社に販売したときは120万円である。100万円の支出原価は、どちらを選択しても変化しないため、[ B ] と呼ばれる。それに対して、[ A ] はどちらを選ぶかによって変化するため、[ C ] と呼ばれる。
〔解答群〕
ア A:機会原価 B:固定原価 C:変動原価
イ A:機会原価 B:埋没原価 C:関連原価
ウ A:限界原価 B:固定原価 C:変動原価
エ A:限界原価 B:埋没原価 C:関連原価
第16問 解答
イ
第17問 投資の意思決定
以下の、リスクの異なるH事業部とL事業部を持つ多角化企業に関する資料に基づいて、H事業部に属する投資案(H案)とL事業部に属する投資案(L案)の投資評価を行ったとき、最も適切なものを下記の解答群から選べ。ただし、この多角化企業は借り入れを行っていない。
【資料】
〔解答群〕
ア H案、L案ともに棄却される。
イ H案、L案ともに採択される。
ウ H案は棄却され、L案は採択される。
エ H案は採択され、L案は棄却される。
第17問 解答
ウ
第18問 ポートフォリオ理論
ポートフォリオ理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。ただし、リスク資産の間の相関係数は1 未満であり、投資比率は正とする。
ア 2 つのリスク資産からなるポートフォリオのリスク(リターンの標準偏差)は、ポートフォリオを構成する各資産のリスクを投資比率で加重平均した値である。
イ 2 つのリスク資産からなるポートフォリオのリターンは、ポートフォリオを構成する各資産のリターンを投資比率で加重平均した値である。
ウ 2 つのリスク資産からポートフォリオを作成するとき、両資産のリターン間の相関係数が大きいほど、リスク低減効果は顕著となる。
エ 安全資産とリスク資産からなるポートフォリオのリスク(リターンの標準偏差)は、リスク資産への投資比率に反比例する。
第18問 解答
イ
第19問 市場仮説
効率的市場仮説(セミストロング型)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア インサイダー取引によっても、市場の期待を上回る過大なリターンを獲得できない。
イ 市場価格は公に入手可能な情報を反映する。
ウ 市場価格は規則的に変動する。
エ すべての証券の将来の価格は確実に予測できる。
第19問 解答
イ
第20問 株主価値の計算
以下のデータに基づいて、A社の株主価値を割引キャッシュフローモデルに従って計算したとき、最も適切なものを下記の解答群から選べ。ただし、これらの数値は毎年3 %ずつ増加する。また、A社には現在も今後も負債がなく、株主の要求収益率は6 %である。
〔解答群〕
ア 15,000万円
イ 30,000万円
ウ 35,000万円
エ 70,000万円
第20問 解答
イ
第21問 サステナブル成長率
サステナブル成長率に関する記述として、最も適切なものはどれか。ただし、ROEおよび配当性向は毎期一定とする。
ア 企業が毎期の純利益の全額を配当する場合、サステナブル成長率はリスクフリー・レートに一致する。
イ サステナブル成長率は、ROEに配当性向を乗じることで求められる。
ウ サステナブル成長率は、事業環境に左右されるが、内部留保率には左右されない。
エ サステナブル成長率は、配当割引モデルにおける配当成長率として用いることができる。
第21問 解答
エ
第22問 市場リスク
市場リスクに関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 外貨建取引の場合に、為替レートの変動で損益が生じるリスク
b 貸付先の財務状況の悪化などにより、貸付金の価値が減少ないし消失し、損害を被るリスク
c 債券を売却するときに、金利変動に伴って債券の市場価格が変動するリスク
d 市場取引において需給がマッチしないために売買が成立しなかったり、資金繰りに失敗するリスク
〔解答群〕
ア aとb
イ aとc
ウ aとd
エ bとc
オ bとd
第22問 解答
イ
第23問 為替相場
次の文章の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。ただし、手数料、金利などは考えないこととする。
現在の為替相場(直物)は1 ドル130円である。3 か月後にドル建てで商品の仕入代金1 万ドルを支払う予定の企業が、1 ドル131円で1 万ドルを買う為替予約(3 か月後の受け渡し)を行うとする。このとき、3 か月後の為替相場(直物)が134円になると、為替予約をしなかった場合に比べて円支出は[ A ] 。他方、3 か月後の為替相場(直物)が125 円になると、為替予約をしなかった場合に比べて円支出は[ B ] 。
〔解答群〕
ア A:3 万円多くなる B:6 万円少なくなる
イ A:3 万円少なくなる B:6 万円多くなる
ウ A:4 万円多くなる B:5 万円少なくなる
エ A:4 万円少なくなる B:5 万円多くなる
第23問 解答
イ